アカデミック・ライティング: なぜ訓練が重要なのか

最終更新: 1月31日


少し前に「アカデミック・ライティング」の訓練について、以下のようにツィッター上でやり取りをしました。日本人は圧倒的に「ライティング」のスキルが足りません。多くの人が少し誤解をしている部分があるので、補足説明しておきます。


https://twitter.com/GlobalAgendaEN/status/1340968645623566336?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1340968645623566336%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_c10&ref_url=https%3A%2F%2Fnote.com%2Fnotes%2Fn2589ef5f9d01%2Fedit


日本人を対象に英語&日本語のアカデミック・ライティングを指導しています。先日、関東の大学院でも2日間の講義を担当しました。偏差値レベルでは日本有数の大学ですが、日本人は基礎教育・大学双方で論理的叙述の訓練を受けていません。英語圏の大学はその分野の教育が充実していると思いました。


家庭での教育・文化資本が子供の教育に大きく影響することは事実ですが、やはり訓練を受けていなければ、論理的叙述はできるようにならないと思います。私はその分野の能力は留学により身に着けたので、日蘭の大学ともライティング講座の設置は必須だと思います。


ちなみに最近日本でも大学院の修士・博士論文は英語での提出を要求する大学が増えています。また、英語論文の国際ジャーナルへの投稿を後押しするために、ライティング・センターの設置を検討する大学が増えているそうです。今回、私が担当させていただいた14時間のコースはその準備のための講座だと言われました。


ラィテイングによって抽出される著者の知的資産を増やすにはいくつかの方法や技術があります。以下、一部だと思いますが、リストアップを試みました。これらの蓄積のうちのかなりの部分が出身家庭や学校の知的環境に負うところが大きく、いわゆる文化資本・社会資本を豊富に持っている学生・研究者が優位に立つのは明らかです。


1. 読書、文献を読む


2. 観察力を磨く


3. 想像する力を身につける


4. 課題や命題を理解する


5. 課題を様々な視点から見つめる複眼を持つ


しかし、これをアウトプットとして文章に仕上げるには特別な技術が必要です。もし、それを口語でもできるのであれば、訓練を受ければ優れた書き手になることは可能です。そして学生や研究者なら、勉学・研究と同時に「フォーマルな文語としての論文」を作成するための「論文の書き方」講座を受講する必要があります。そのうえで論文を執筆、推敲し、他者からのレビューを受けます。その後、学位論文や学術論文を提出します。


今の日本の現状だと、多くの学生は上記の1~5の経験が以前にも増して不足しているうえに、「論文の書き方」のような講座を設けている大学も少ないという現実があります。研究において国際的な学術論文への投稿が重要性を増している中、「アカデミック・ライティング」のスキルの向上は急務です。


ETVの番組内で半藤一利さんがで語ったことが印象的でした。「日本が後回しにしてきたことは教育だ。論理的思考を鍛える教育が重要で、一人一人の国民が『あるべき国家の目標』を持たなければならない。決して政府任せにしてはいけない」と発言されていました。ライティングというアウトプットを通じてしか、論理的思考力は身につかないと思っています。



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