トランプ大統領の黙示録:米国における終末論ファシズムの台頭(1)【英語で学ぶ大人の社会科】第97回 6/22(日)20時@オンライン
- Dr. K. Shibata
- 6月8日
- 読了時間: 8分
更新日:6 日前
トランプ政権2.0の背景にある米国の終末思想とは何か。これまで語られることの少なかった米国の宗教と政治について英語で議論。

2025年6月22日(日)夜20時@オンラインで開催する「英語で学ぶ大人の社会科」ワークショップは、国際的に著名なジャーナリストであるナオミ・クラインが英ガーディアン紙に寄稿した論説記事「The rise of end times fascism(「終末論ファシズムの台頭」)」を使い、米国における「宗教と政治」の関係性について英語で議論する第1回です。
トランプ大統領の黙示録:米国における終末ファシズムの台頭(1)【英語で学ぶ大人の社会科】第97回 6/22(日)20時@オンライン
「自由で先進的な民主主義国家」として、長年にわたり、世界中の人々の憬れの国であったアメリカ。第2次世界大戦後、人々が米国に惹きつけられた理由は、その強大な軍事力とマネーではなく、権威主義や古臭い教義とは無縁に見えたハリウッドに代表されるそのソフト・パワーでした。
しかし、第2期トランプ政権は、これまでの米国に対する人々の幻想や思い込みをことごとく打ち砕きました。トランプ政権の誕生は第1期に続き、第2期も、米国で信徒が1億人を超えると言われる宗教的保守派である「キリスト教福音派」の支持なくしては、不可能でした。
アメリカ市民社会を分断する8つの「断層線」――宗教は「アメリカの十字架」か?
トランプ大統領は第1期(2017-2020)の選挙戦から「自分なら、アメリカがハルマゲドン(世界最終戦争)に向かっていくのを回避できるし、アメリカを再び偉大な国にできる」といった黙示録(apocalypse)的メッセージを主張してきました。スタンフォード大学のアリソン・マックイーン准教授(政治学)はトランプ大統領の選挙キャンペーンの手法を2016年にForeign Affairs誌に投稿された論文「ドナルド・トランプの黙示録――アメリカ政治思想における終末思想」で以下のように分析しています。
アメリカにおける黙示録的レトリックの伝統は、民衆を分断するのではなく、団結させることを意図してきた。トランプに特有なのは、黙示録的な予測に危険な誇大妄想をまとわせ、分断と排除を求めていることだ。
The Apocalypse in U.S. Political Thought ―― Trump Isn't the First—And He Won't be the Last (Alison McQueen)
ハルマゲドン(アルマゲドン)は新約聖書「ヨハネの黙示録」16章16節に記述された、終末に行われる善と悪の最終決戦のことであり、そこから転じて、この世の破滅をもたらす世界最終戦争という用語としても使われています。
このハルマゲドンとキリスト再臨を信じるアメリカの福音派がどのように米国の政治に影響を与えてきたかを克明に記録したドキュメンタリー映画「ハルマゲドンを待ち望んで 米国政治を動かす“福音派”」が世界で公開され注目を集めています。先日、NHKのBSでも放送されたようです。
「ハルマゲドンを待ち望んで 米国政治を動かす“福音派”」前編
原題:PRAYING FOR ARMAGEDDON(ノルウェー他 2023年)
マックイーン教授はForeign Affairs2017年1月号の論文で、トランプが唱えてきた終末論にとらわれ続ければ、「世界を善と悪で区別し、自分とは意見の違うものを中傷し、自らが信じる最終的な正義を暴力に訴えてでも実現しようとするようになる」と警告していました。
アメリカ社会を分裂させた終末論―― ドナルド・トランプに政治的に向き合うにはhttps://www.foreignaffairsj.co.jp/articles/201701_mcqueen/
そして、その警告は2021年1月6日の米議事堂襲撃で現実となります。それにもかかわらず、2024年の米大統領選で再選を果たし、2025年に大統領となったトランプの政策は米国だけでなく世界を分断と混乱に巻き込んでいます。その今の米国を覆っている「終末論ファシズム」の実態を分析したのがナオミ・クラインの論説記事なのです。なお名古屋大学の菊地夏野准教授がこの記事の抄訳を公開しています。
ナオミ・クライン「終末論ファシズムの台頭」抄訳公開
菊地 夏野
あなたは、この米国発のと政治のと宗教の問題について、どう思いますか。
第1回の教材は、The Guradian紙の記事をPDFで印刷した場合に、3ページの中盤、セクションの分割に使われている引用文「Though it builds on enduring rightwing tendencies …」より前の部分になります。菊地夏野氏の抄訳では「超富裕層の『企業都市国家』運動」「軍事化した要塞国家『バンカー』」の見出しがつけられている箇所です。
このテーマについて議論するワークショップの詳細は以下のとおりです。
日時: 2025年6月22日(日)20時~21時30分
場所: オンライン
定員: 10名程度まで
費用: 見学のみ: 500円、初回参加者:800円~
教材として、以下の英語記事を利用します。
【教材】
上記の通り、今回のワークショップの範囲は以下の記事PDFで3ページの半ばまでです。
The rise of end times fascism Naomi Klein and Astra Taylor
チケットの申し込みは以下のYahooチケットサイトから、または銀行振り込みでお願いします。
【チケット】
トランプ大統領の黙示録:米国における終末論ファシズムの台頭(1)【英語で学ぶ大人の社会科】第97回 6/22(日)20時@オンライン
[注意]
なお、Yahoo Ticketでのチケット購入については、YahooIDが必要になりました。未登録の場合、SMSでの本人認証が求められる場合もあるようです。
チケット購入・販売におけるゲスト購入・クレジットカード決済の変更について - PassMarket
SMSによる本人認証について - PassMarket Blog
【銀行振込での申し込み】
振込用紙は以下のサイトからダウンロードお願いいたします。
このワークショップの設問は参加申し込み者、サロン会員、有料ニュースレター購読者及び後日発表するnote記事購入者にのみ送付します。過去のワークショップと同様の設問を設定しますので、以下のマガジンの2020年4&5月の記事(設問を公開しています)を参考にしてください。
【英語で学ぶ大人の社会科】世界の知性が語る現代社会
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【詳細】
参加費は500~2,450円です。サロン・ゴールド会員の割引他、回数券もご用意しています。6カ月の新規サロン会員権の購入(更新も含む)の方の初回参加費は無料です。
申し込み後(開催日前日までに)、メールにてビデオ・リンクもしくは招待状を送ります。解説と設問はできるだけ早く送付します。オンラインでは、通信上の問題が発生する場合がありますが、不具合の場合、次回無料で参加できます。キャンセルの場合も次回への振り替えになります。
申し込みはYahooチケットの他、銀行振り込み/事務所にて支払いでも可能です。初回のみ申込用紙を以下のサイトからダウンロードして振り込みをお願いします。一度設定すると後は申込書無しで銀行振込+電子メールで参加日の連絡を頂くだけで申し込みが可能になります。
【場所】 オンライン
オンライン(インターネット接続+マイク付きイヤホン+PCもしくはタブレットorスマホを準備願います)。Gmailをご用意ください。
ワークショップは気軽に使えるGoogle Meetを使って英語での議論に取り組みたいと思います。グローバルな政治や経済に関するテーマですが、大変興味深い内容ですので、ドリンク片手に気軽にご参加ください。参加費は初回は特別価格です!また、見学チケットも用意しています。
メインでは以下のオンライン会議システムを使います。
Google Meet(Gmailとリンクしています)
【ビデオ会議システム】Google Meet
ビデオ会議の利用にはGMailアカウント及びマイク付きイヤホン(携帯電話購入時に付属品として付いています)、PC又はタブレット・スマートフォンなどが必要になります。使い方はGoogle Hangoutと同じですが、PC以外だとアプリのダウンロードが必要な場合がありますので、事前に動作の確認をお願いします。またGoogleカレンダーもダウンロードしておくと便利です。
申込を受けるとGoogleカレンダーに招待状を送りますので、そちらにアクセスして、予定上のGoogle Meet に参加するをクリックし、マイク・カメラを設定しておいてください。使い方は以下のサイトを参照してください。
【最新版・完全版】Google Meetとは?初心者向けに使い方や便利な機能の徹底解説
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【オンラインサロン】
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