
Global Agenda
Kobe Research Centre for Global Society
アカデミック・ライティング
パンデミックを機に英語・日本語双方のアカデミック・ライティングに力を入れることにしました。AIのの進化、パンデミックにより、更に強化された感のあるグローバル・レベルでの研究協力の必然性を背景にアカデミック・ライティング、特に英語での論文の発表が重要になってきています。しかし、母国語でも論文執筆のスキルを学んでこなかった日本人には英語の論文発表はハードルが高い現状があります。2020年の2月には国立大学において20名の大学院生を対象に2日間の英語論文の集中講義を担当しました。下記にあげるすべてのコースは3名以上のリクエストがあれば出張講座をお引き受けします。オンラインでの受講も可能です。会場も京都・大阪・神戸であればご用意できますので、皆様からのご連絡をお待ちしています。
ワークショップ[批判的思考力を鍛える]
大学生、研究者、ビジネスマンに必要な批判的思考のためのスキルを最短で学習
急速に進むグローバルな知識経済化への対応は教育界・ビジネス界にとって、喫緊の課題となっています。実はこの中で最も必要なスキルが「批判的思考」なのです。ところが、日本では、中等教育、大学教育、ビジネス界において、この言葉の意味を十分に理解するために必要な教育を提供していません。日本を取り巻くビジネス環境が劇的に変化している中で、いまだにOJTでこの変化を乗り切れると信じている日本の企業は少なくありません。
そこで、改めて、批判的思考を獲得するための講座&ワークショップ@オンラインを用意しました。講座で提供される内容は「論文・報告書を書く」「交渉・議論をする」「イノベーション」といった、今後のビジネス、アカデミック界には必須のスキルです。研究でもビジネスでも既存の情報を評価、検証し、そこで言及されていなかったり、反証の可能性がある場合、それが次の研究に繋がったり、イノベーションの鍵になります。しかし、アプローチの方法が分からない、という日本人は多いと思います。講座ではその為の「#批判的思考」の手法を学びます。
直近の開催予定は以下のイベント頁でご確認ください。また、過去に開催したイベントの内容については、note記事(←リンクをクリック)で読むことができます。
オンラインサロン[WritingCafe] Academic Writing Group Meetup with Global Agenda
海外の大学院、特に博士課程の学生やポスト・ドクターの研究員が活用している【オンラインサロン】ライティング・グループを立ち上げたいと考えています。ライティング・グループは大学が運営主体となっているものもありますが、そのうちの多くは学生や研究者たちが自主的に始め運営しているサポート・グループのような形が中心のようです。
これまでグローバル・アジェンダは主に英語・日本語論文の指導や時事英語のディスカッション・グループを運営してきました。しかし、英語のアカデミック・ライティングに関しても、これらと同様の継続的な支援、特にピア・サポートと呼ばれる博士課程の学生や研究者同士のグループ・ワークが非常に効果的だということが近年分かってきました。
これまでのワークショップの成果をこの新しいオンライン・サロンの運営にも活用したいと考えています。まずは英語(日本語)のアカデミック・ライティングのスキルの向上に関心のある方、学位論文・学術論文のサポートが必要だと考える方に、ぜひこのサロンに参加していただいて、一緒にこれからの計画を考えていきたいと考えています。詳細に関しては、以下のサイトをご覧ください。皆様の参加をお待ちしております。
【論文の教室】
大学生・社会人のための論文・レポート執筆講座【基礎・実践編】
「論文の書き方」をなぜ今学ぶ必要があるか
パンデミックが世界中に蔓延する中、2020年の新学期は始まりました。4月初めからオンライン授業に移行できた大学は比較的少なく、5月の下旬頃より、ようやく足並みがそろったようです。慣れないオンライン授業で大変なスタートを切った新大学生の方も多いのではないでしょうか。コースをオンラインで履修するだけでも大変なのですが、大学生活が始まってすぐに、今まで取り組んだことのない課題や研究レポートの提出を求められて困っている大学生の方を何人か見かけました。また、日本の教育制度では過去にはレポートを提出させる大学は比較的少なかったのですが、社会人になってから、仕事でまとまった量の企画書をや報告書を書く必要に迫られ、四苦八苦されているお話もお聞きします。
これまで私たちは主に研究者、留学予定者並びに英語エッセイ・小論文科目での受験生に対して英語及び日本語のアカデミックライティングの指導をしてきたのですが、最近需要が増えているにもかかわらず、きちんと論文やレポート執筆の方法を学ぶ機会がなかったという学生や社会人を対象に「基礎から始めるレポート・論文の教室」という講座を運営しています。
この講座は基本的には大学生以上を想定しているのですが、内容としては中学生・高校生でも参加可能です。ただ、具体的な課題やテーマがないと、なかなか取り組みへの意欲が湧かないのも事実です。そこで「賞金!」も期待できる懸賞論文に応募するという方法があります。締め切りもあるため、決められた期間内に終える、という論文のお約束にも対応しています。
コースの内容は以下のとおりです。第一部では論文執筆の基礎(始め方)を学び、第二部では受講者の方が実際に与えられた課題をもとに「実践編」として受講者で一緒に考えるという構成になっています。
論文の教室:基礎・実践編【内容】
第一部:基礎編 (120分)
1. 論文とは何か?
2. 論文の3本の柱
3. 論文の種類
4. テーマの決め方・取り組み方
5. 文献調査の手法
6. 論文のスコープを決める(タイトルをつける)
7. 引用・参照文献の書き方
第二部:実践編 (120分)
1. 論文のアウトラインを作る
2. 議論(argument/discussion)をどう発展させるか
3. 検証の方法
4. エビデンスの集め方
5. ライティングのコツ
6. プレゼンテーション・講評
それぞれ2時間ずつの予定です。
【大阪会場&オンライン開催】
【日時】
直近の予定、詳細は以下の「イベント」ボタンをクリックしてください。内容に関してはnote記事(←クリック)を参考にしてください。
【論文の教室 2】
卒業論文・修士論文・調査報告書の書き方
2021年4月新学期・新年度が始まります。昨年は新型コロナで授業のほとんどがオンライン授業になり、多くの課題レポートに悩まされた大学生の方が多かったのではないでしょうか。このような背景のもと、昨年の春から「論文・レポートの書き方」を過去に学ぶことのなかった大学生・社会人向けに日本語の「論文の教室」を関西&オンラインで始めました。
一方、科目の課題レポートよりもさらに難しいのが、大学生の卒業論文、大学院生の修士論文です。企業が発表する調査報告書も基本的にはこの学位論文の様式と同じです。今回の講座では、一般的な大学のレポートよりもさらに上級の学位論文・調査報告書の始め方・書き方を学びます。
論文の教室 2:学位論文・調査報告書の書き方【内容】
第一部:基礎編
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学位論文(卒業論文・修士論文)・調査報告書の特徴
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テーマの設定
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必要な資料を探す
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文献の精査・読み方(第二部でさらに検証)
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研究設問を設定する
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研究の手法
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学位論文の構成
第二部:実践編
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既存の論文の検証から自分の論文を構築する方法
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論文のスタイルを知る
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批判的思考とは何か
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言葉の「定義」の重要性を学ぶ
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発表
それぞれ2時間ずつの予定です。
【日時】
次回日程は、以下のボタンのイベント頁&note記事でご確認ください。
【オンライン開催】
【大阪梅田会場】
BIZcomfort大阪 東梅田 大阪市北区曾根崎2丁目8-5 お初天神EAST BLDG 3F
【英語論文講座】
英語アカデミックライティング講座【基礎・発展編】
2020年の7月から始まった日本語・英語の2言語による「論文の教室:大学生・社会人のための論文・レポート執筆講座」。当初の予想以上に参加者の皆様から好評でした。「大変実践的な内容だった」「論文・レポートを書く自信がついた」との感想をいただいたと同時に、改めて論文・レポートを始める時に、多くの日本人が躓きやすい「課題設定」の難しさに気付かされた方も多かったようです。
そこで、今回企画した論文の教室【発展編】(アカデミック・ライティング-英語&日本語双方の言語のカリキュラム)は論文・レポート作成のコアの部分である研究の「読者は誰か」「課題の発見」「研究設問の設定」の方法について論じていきます。また、ここでは論文・レポート作成の方法について言及していますが、ここで挙げる「読者」を「消費者」と読み換えることもでき、いわゆる企業の研究開発やマーケティングにも応用できるスキルです。
ビジネスでは「人々の困りごと」の解決が新しいイノベーションにつながる、ということがよく言われます。しかし、実際は「困りごと=問題」の「どの側面に目を向けるか」で解決の方法は大きく変わってきます。さらに大きなチャレンジは実は人々が「何が問題なのか」気が付いていないことが多々あることです。研究でもその課題発見のプロセスは同じで、適切であり、かつインパクトの大きい「課題設定」をすることが「研究の成功」につながります。
しかし、日本の大学でこの分野に関して徹底的な指導を受けることは稀です。実は欧米でもこの分野に関して時間を割いてくれる高等教育機関はそれほど多くありません。何故なら、この能力を身に着けるには、Critical Thinking(批判的思考力)のスキルの構築が必要で、それには義務教育課程から始まる長年の研鑽が必要だからです。OECD生徒の学習到達度調査 (PISA:Programme for International Student Assessment )の教育目標や自分が見聞きした英語圏の初等・中等教育の内容を見ると、この批判的思考を養うためのカリキュラムが義務教育課程から組み込まれているようです。
自分のケースを振り返ってみても、いわゆるリサーチ・メソッドは習っても、このResearch Problem(研究課題)やResearch Questions (研究設問)の設定という部分はしっかりとは教わりませんでした。博士課程の終わりの方になって、新しく出来た「Writing for Research」という科目を受講したのですが、ここで言われたのが、「課題や研究設問の出来が論文の成功の50%以上を決める」という事実です。「もっと早く知りたかった!」のというのが正直な感想ですが、この法則に従えば、Research Proposal(研究提案書)を提出する時に既に勝負はついているということになります。
博士号を取得し、いくつか海外で論文や書籍の出版を経験した今言えることは、Critical Thinkingのスキルはすぐに身につかないとしても、研究課題や研究設問の設定には、経験を積んだ研究者からの手厚い支援が必要だということです。特にCritical Thinkingの考え方を大学時代にしっかり学ぶことのなかった日本を含むアジア出身の学生は英語圏の大学・研究機関でこの部分について、相当に苦戦していました。
そこで、この講座の発展編では研究のスタートの部分で必要な「著者と読者の関係」(Unit 3)、「英語学術論文の読み方」(Unit 4)、「英語論文のLiterature Review」(Unit 5)、「課題の発見」「研究設問を発展させる」(Unit 6&7)に関する講義と解説・演習を行いたいと思います。
2日間集中コース
【講義内容】
Part 1「読者を理解する」(50分)
Part 2「研究課題を定義する」(70分)
Part 3「研究設問を発展させる」(75分)
Part 4「質疑応答」(45分)
Part 5 「ワークショップ」(120分)
【講義時間割】
論文の教室: 大学生・社会人のための論文・レポートの書き方【発展編】
Lesson 1 「読者を理解する・研究課題を定義する」講義(120分)
Lesson 2 「Research Questions(研究設問)を発展させる」講義+質疑応答(120分)
Lesson 3 「ワークショップ」参加者同士で研究課題について発表・議論 (120分)
ユニット別コース
[Unit 1] 初めての英語論文(90分)
アカデミック・ライティング英語論文講座【基礎編-概要】
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論文とは何か?
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英語論文執筆に必要な技術
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英語論文の特徴
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英語のAcademic Writingをどう学ぶか
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英語論文のタイプ
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英語論文の読者及び執筆の目的を定義する
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英語論文の構成
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パラグラフの構造
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序章・終章のまとめ方
なお、この英語論文講座[基礎編]は日本語でのアカデミック・ライティング・スキルよりは上級のコースになります。論文の書き方に自信がない方は日本語の「論文の教室」の基礎編の受講をお勧めします。
[Unit 2] 英語論文の執筆準備&自己評価(90分)
アカデミック・ライティング英語論文講座【発展編1-概要】
英語論文の構想を練る:主に大学・大学院での課題や論文を想定した内容です。
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ライティングのための準備