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  • 執筆者の写真Dr. K. Shibata

[教材を公開]ワークショップ「批判的思考力を鍛える@大阪梅田&オンライン」4/29(祝)10:30~

大学生、研究者、ビジネスマンに必要な批判的思考のためのスキルを最短で学習

先日、初めて開催したワークショップ「批判的思考力を鍛える」。「批判的思考」て、どう使うのか、疑問に思った人は多いのではないでしょうか?先日のワークショップで利用した教材を公開したいと思います。4/29(祝・金)も同じ資料を使う予定ですので、参加を希望される方は、ご一読ください。


ポスト・フォーディズムの時代に重要性を増す「批判的思考力」


先日、NHK「マイケル・サンデルの白熱教室2022」を視聴しました。米国・中国・日本のエリート学生達が討論という番組の趣旨ですが、日本人だけ発言量が圧倒的に少なかったことが、とても残念でした。「英語だからではないか」と思う人がいるかもしれません。しかし、東京大学に留学している中国人学生も含めて、中国人は全員英語で発言していましたが、日本人だけは日本語で発言していたので、語学のハンディキャップはなかったはずです。


「マイケル・サンデルの白熱教室2022」再放送予定


投票行動において、各政党が掲げる政策の評価や、情報化社会の中で氾濫する情報を選別するために「批判的思考力」は不可欠です。一方、ビジネスの世界でも産業構造の変化により、エリート層だけでなく、一般労働者に求められる「批判的思考力」も重要性を増しています。


工場で規格品を大量生産して販売する「Fordism」は20世紀後半には終わりを迎えていました。いわゆるポスト・フォーディズム(post-Fordism)&知識経済(The Knowledge Economy)の時代に移行したわけですが、ここで重要な役割を果たすのが批判的思考力です。


post-Fordism


the idea that modern economies are based on service industries, information technology, and products designed for particular needs, rather than on mass production (= producing large numbers of the same product)

急速に進むグローバルな知識経済化への対応は教育界・ビジネス界にとって、喫緊の課題となっています。「批判的思考」のスキルを更に鍛えるため、欧米では多くの幹部候補生が大学院に進学するのが当たり前になっています。海外の有力企業の研究開発部門や調査部では、博士号を持っている人材が多数を占めています。ところが、日本では、中等教育、大学教育、ビジネス界において、批判的思考を十分に理解するために必要な教育を提供していません。日本を取り巻くビジネス環境が劇的に変化している中で、いまだにOJTでこの変化を乗り切れると信じている日本の企業は少なくありません。しかし、上記の番組で見られたように、日本ではエリート教育を受けた人でも、批判的思考を身に着け、それを使える人はごく少数です。


そこで、改めて、批判的思考を獲得するための講座&ワークショップ@大阪&オンラインを用意しました。講座で提供される内容は「論文・報告書を書く」「交渉・議論をする」「イノベーション」といった、今後のビジネス、アカデミック界には必須のスキルです。


批判的思考とは何か


2019年「PISAショック」という言葉が教育界を駆け巡りました。2018年のOECDの国際学力調査(PISA)で日本人生徒の「読解力」の成績が前回の8位から15位に急降下したからです。原因はPISAの読解問題が「批判的思考」を問う形式に変化したことが理由のようです。OECDの文書は日本の生徒の読解力の結果を以下のように総括しています。


◆読解力の問題で、日本の生徒の正答率が比較的低かった問題には、テキストから情報を探し出す問題や、テキストの質と信ぴょう性を評価する問題などがあった。
◆読解力の自由記述形式の問題において、自分の考えを他者に伝わるように根拠を示して説明することに、引き続き、課題がある。

OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)のポイント


また、今回、日本人の生徒の読解力のテストの成績が芳しくなかった理由は日本の中等教育の指導内容にあると専門家は指摘しています。


PISA「読解力」15位の要因を探る-原因の特定と改善の方向性


「今回OECD加盟国の平均正答率を日本の子どもが10ポイント以上下回った設問が「読解力」では14題あったが、その中の9題が「評価し、熟考する」ものだった。…読解力低下の主要な原因は、日本の国語の授業のあり方にあると考える。今回特に重視された「質と信ぴょう性を評価する」「矛盾を見つけて対処する」ことを大事にするような国語の授業が、日本ではそもそも極めて少ないということが大きく関わる。」

しかも、教師自身が「これまで文章や作品を評価的批判的に読み、それに基づいて自分の見解を表現するという学習をしてきていない」のですから、事態は深刻です。以下のリンクから、2018年のPISAの読解力問題を見ることができます。


OECD 生徒の学習到達度調査(PISA)

Programme for International Student Assessment

~ 2018 年調査問題例~読解力問題

令和元(2019)年 12 月

文部科学省 国立教育政策研究所


上記の試験には「意見」と「事実」を分ける問題や同じテーマの3つの異なる資料を読み込んで、ある現象の原因について答える、という問題が含まれています。この問題に答えるためには、種類の異なる情報を評価するリテラシー、それらの情報をもとに自己の意見を論理的に述べる「表現力」が必要です。そして、これらの能力は、今後のグローバル社会で生きていく上で、必須のスキルです。この度、新しくこの課題に対応したワークショップを用意しました。


ワークショップ「批判的思考力を鍛える@大阪梅田&オンライン」4/29(祝)10:30~


以下、ワークショップを2部に分けました。別々に受講することが可能です。


日時: 2022年4月29日(祝・金)10:30~12:30

場所: オンライン&大阪梅田

費用: 3,700円~ チケット・サイトでご確認ください


[Uniti1]批判的思考力とは何か:基礎編(10:30-11:30)


1. 批判的思考力を鍛えると何が出来るようになるか


2. 批判的思考を実践するプロセス


3. 批判的思考を実践する為に知るべき考え方



[Unit 2]批判的思考力を鍛える実践編1(11:30~12:30)


資料が多いので、時間が許す限り、内容について参加者と議論します


1. 日本語資料(記事もしくは研究報告)をもとに批判的思考を鍛える

2. 英語資料(記事もしくは研究報告)をもとに批判的思考を鍛える


日本語への翻訳記事・関連記事も含む


チケット


以下のYahooチケット・サイトから、もしくは銀行振り込みで、お申し込みください。


ワークショップ「批判的思考を鍛える@大阪梅田」4/29(金)10:30~


ワークショップ「批判的思考を鍛える@オンライン」4/29(金)10:30~


【銀行振り込み】


申し込みはYahooチケットの他、銀行振り込み/事務所にて支払いでも可能です。全ユニットを銀行振り込みでお申し込みの場合、参加費を200円割引します。初回のみ申込用紙を以下のサイトからダウンロードして振り込みをお願いします。一度設定すると後は申込書無しで銀行振込+電子メールで参加日の連絡を頂くだけで申し込みが可能になります。



【参加費】


オンラインサロン&ゴールド会員、有料ニュースレター購読者は会員価格で参加できます。


ユニット1または2のみ 会員-3,700円、非会員-4,000円

全ユニット 会員-7,200円、非会員-7,600円


質問のある方は、下記からご連絡ください。


グローバル・アジェンダ:問い合わせ


【チケットの発行】


参加申し込みをした方にはGoogle Meetの会議の招待状と設問を送付します。オンラインでは、通信上の問題が発生する場合がありますが、不具合の場合、次回無料で参加できます。キャンセルの場合も次回への振り替えになります。


【場所】 


大阪梅田会場&オンライン(インターネット接続+マイク付きイヤホン+PCもしくはタブレットorスマホ+Gmail アカウントを準備願います)


メインでは以下のオンライン会議システムを使います。


Google Meet (Gmailとリンクしています)



【注意事項】


できるだけ、マイク付きイヤホンをご用意ください。音が反響せず、聞き取りやすくなります。また、可能であればLANケーブルでつないだ方が通信が安定します。


オンライン・サロン


現在、「Global Newsについて語ろう」「WritingCafe」の2つのオンライン・サロンがあります。


このワークショップに関心のある方は以下のニュースレターに登録していただくと案内が届きます。


【英語で学ぶ現代社会】を無料ニュースレター@Revueで購読しませんか?


参加申込はYahooチケットサイトからになりますが、詳細はnoteで発表します。またPeatixでもイベントのお知らせをしますので、この二つのアカウントのフォローをお願いします。







「朝英語の会」@大阪&神戸の過去の活動についてごらんになりたい方は以下のブログ記事でご確認ください。



【講師】


Dr. Kuniko Shibata

グローバル・アジェンダ 代表

『朝英語の会』梅田&神戸~The Japan Times 紙記事について議論する, リーダー


【講師の略歴】


The London School of Economics and Political Science (LSE) 博士課程卒業, PhD in Regional Planning. 日本の大学を卒業後、営業職から米国への語学留学、大手外資系企業の役員秘書職を経て、英国の大学院で公共政策(地域都市政策)の博士号を首席(Distinction)で取得。米国のロータリー財団と南オーストラリア州政府からフェローシップを得て、カナダのThe University of British Columbia、豪州のThe University of Adelaideの都市政策研究科に客員研究員として留学。主に国際学術雑誌及び欧米の出版社から研究成果を発表。論文は国際学会での受賞等、海外で高い評価を得ている。過去25年間、国内外で政府、シンクタンク、大学、企業等の依頼を受け、公共セクターのリサーチャー並びにコンサルタントとして政策研究及び市場調査に従事する。都市計画、地域振興、観光/文化、環境/エネルギー、医療/介護福祉、コンプライアンスなど幅広い分野をカバー、白書や政府委員会レポート等の執筆、外国政府・企業関係者との交渉を引き受けてきた。現在は、関西を拠点に政策調査、日本企業の海外展開支援及び調査コンサルティング事業、海外企業の日本市場におけるマーケティング及び販路開拓支援、グローバル人材教育事業を手掛けている。



「論文・レポートの書き方」参考記事


また「論文の書き方」に関しては以下の記事も参考になると思います。


アカデミック・ライティング: なぜ訓練が重要なのか


【論文の教室】盗用・剽窃に関する注意


「論文の自己評価について」【論文の教室】大学生・社会人のためのレポートの書き方


大学の役割:研究機関 vs 教育機関


さらににライティングのスキルをアップされたい方は以下のサイトも参考にしてください。


[WritingCafe] 英語論文アカデミック・ライティング・グループ

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