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  • 執筆者の写真Dr. K. Shibata

10/11(木)朝英語の会梅田のテーマ:グローバル社会でのアイデンティティと国籍



10/11(木)7:30AM~ 朝英語の会梅田@スタートアップカフェ大阪で利用するThe Japan Times紙の記事の電子版が配信されました。全米女子テニス選手権に20歳で優勝という快挙を成し遂げた大坂なおみ選手の来日記者会見時に記者の質問から話題を呼んだ「アイデンティティー」「国籍」がテーマです。紙版は10/2(火)に発売されましたが、電子版は以下のサイトから閲覧可能です。

米国在住の作家・翻訳家の渡辺由佳里氏の寄稿文「プロスポーツが教えてくれる多様性社会の変化」は様々な国籍を持つ才能が集まるプロスポーツ界におけるアイデンティティと国籍の関係について分析を試みています。一方五輪のようなアマスポーツの国際試合は国別対抗戦になっているため、国籍が注目を集める結果となります。そして、様々な人種的ルーツを持つ個人のアイデンティティと国の代表選手としてのナショナリズムとは何かを改めて考えさせられる機会となっています。 

https://cakes.mu/posts/22600

しかしながら、記者会見とメディア報道を見る限り、いまだに日本人の多くは「国籍=人種=アイデンティティ」と無意識に考えている様に見えます。しかし、移民国家の米国、カナダ、豪州でなくても、EU圏内ではメンバー国の国民であれば、国境を越えた移動の自由が認められているため、各国で外国人の就労が当たり前になっています。多様性社会がスタンダードになりつつある世界で個人のアイデンティティとは何か? 近年、多様性社会が進展する日本でも、個人主義、国家の役割とは何かについて考えさせられるニュースが相次いでいます。

ニューヨーク在住の堂本かおる氏も「アイデンティティ」に関して興味深い記事を書いています。

https://wezz-y.com/archives/58857

また、確固とした自我を確立するためにも アイデンティティー は重要で、様々な社会運動に欠かせないファクター(労働者、マイノリティー、女性、LGBT等)として認識されています。ベストセラーとなったThe Power of Identity (by Manuel Castells) に代表されるように欧米の社会科学では アイデンティティは政治学・社会学・経営・自己啓発のコアになる概念です。しかし、その重要性にもかかわらず、多くの日本人が考えるアイデンティティは、いまだ驚くほど矮小な概念であると言えます。

https://networkmovements.wordpress.com/2012/03/06/book-review-the-power-of-identity-manuel-castells/

また、アイデンティティとナショナリズムが政治に与える負の影響も見過ごせません。下の記事のタイトルのEnglishnessを日本人らしさと置き換えてみると、近年の多様性社会における外国人差別の心理を理解できるでしょう。

http://blogs.lse.ac.uk/politicsandpolicy/englishness-racism-brexit/

やや難解なテーマですが、皆さんの活発な議論を期待しています。

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