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トランプ大統領の黙示録:米国における終末論ファシズムの台頭(3)【英語で学ぶ大人の社会科】第101回 9/14(日)20時@オンライン

  • 執筆者の写真: Dr. K. Shibata
    Dr. K. Shibata
  • 9月9日
  • 読了時間: 9分

トランプ政権2.0の背景にある米国の終末思想とは何か。これまで語られることの少なかった米国の宗教と政治について英語で議論。


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2025年9月14日(日)夜20時@オンラインで開催する「英語で学ぶ大人の社会科」ワークショップは、国際的に著名なジャーナリストであるナオミ・クラインが英ガーディアン紙に寄稿した論説記事「The rise of end times fascism(「終末論ファシズムの台頭」)」を使い、米国における「宗教と政治」の関係性について英語で議論する第3回です。


トランプ大統領の黙示録:米国における終末論ファシズムの台頭(3)【英語で学ぶ大人の社会科】第101回 9/14(日)20時@オンライン


第3回の教材は、The Guradian紙の記事をPDFで印刷した場合に、6ページの初めにあるエルサレムのユダヤ人居住区の写真(記事中の3枚目の写真)より後ろの部分から8ページ終わりまで(次ページの冒頭には4枚目の写真-Steve Bannon)になります。菊地夏野氏の抄訳では「終末論ファシズムの特異性」の見出しのセクションの「PayPalでティールとともに劇的に富を増大させたイーロン・マスク」の段落から始まり、「金銭崇拝の新たな千年王国主義」という見出しで始まるセクションの最初の段落までになります。


なお、雑誌「世界」2025年7月号に、ナオミ・クライン、アストラ・テイラー著、中村峻太郎訳「終末ファシズムの勃興」というタイトルで、The Guardian紙の記事の翻訳版が掲載されています。



また、名古屋大学の菊地夏野准教授がこの記事の抄訳を公開しています。


ナオミ・クライン「終末論ファシズムの台頭」抄訳公開 菊地夏野



第1次トランプ政権(2017年~2021年初頭)時代は、主としてMAGA(米国を再び偉大に)のプロバガンダの推進者であり首席戦略官を務めたスティーヴ・バノンなどが、トランプ大統領の最側近でした。なぜなら、それまで実業家でメディアの寵児だったトランプを大統領にさせた功労者は、彼ら福音派のイデオローグ(イデオロギー信奉者)だったからです。実際、どのようにトランプという人物を米国で大きな集票力を持つキリスト教福音派と繋げられるか、そして、その関係から、どのように彼ら「つなぎ役」「コンサルタント」がトランプ大統領誕生により利益を得ることができるのかを考慮して出来上がったのが第1次トランプ政権だったのです。


その経緯を綴ったのが、最近日本語訳が発表された以下の書籍です。選挙で勝つためのMAGAというスローガンはあったものの、それを大統領の任期中にどのように実現するのか、トランプ大統領自身にも、彼の側近たちにもアイディアは無かった、というのが現実なのでしょう。実際のところ、トランプを支える行政手腕を持つ人間は、彼の取り巻きには存在しなかったので、何らかの政治目標を成し遂げたくても、既存の官僚機構や裁判所に阻まれて、大した成果を上げることができなかったのが、第1次トランプ政権でした。


トランプ大統領を創った男たち ロイ・コーンとスティーヴ・バノン

 


また、トランプ大統領とスティーヴ・バノンの出会いとその関係性については、以下のNPRのインタビューが詳しく伝えています。その内容によれば、バノンは、アメリカ政治の周辺部から現れた卓越したイデオローグであり、ポピュリスト的・ナショナリスト的観念を体現する完璧な器を探していた日和見的な実業家であったが、その彼が、その器をドナルド・トランプに見出したのだ、と解説しています。


Inside The 'Shakespearean Irony' Of Trump And Bannon's Relationship



しかし、第2次トランプ政権で力を持つことになったのは、バノンのようなイデオロギー信奉者ではなく、ビジネス、特にテック業界での成功で財を成した、ジェフ・ベゾス、ピーター・ティール、マーク・ザッカーバーグ、イーロン・マスクらのような新興企業家だったのです。そして、彼らの業態はAIの進化とともに、新たな時代を迎えます。彼らのビジネスの成功の障害になるものが何かといえば、民主主義を支える人権という名の企業行動に対する様々な規制であることは明白です。彼らは、その資本を最大化させるために、民主主義に代わる新たな政治体制「テクノ封建制(technofeudalism)」を必要としているのです。この動きにいち早く警告を発したのが、元ギリシャ財務相であり、経済学者のヤニス・バルファキスでした。彼はダイヤモンド誌の記事の中で、以下のように説明しています。


新たな形態の資本(クラウド資本、あるいは人間の行動を変容させる驚異的な力を持つネットワーク化されたアルゴリズム機械)の台頭が進んでいる。そして、この資本が完全に解き放たれるためには、それにふさわしい新たなイデオロギーが必要とされている。私はこの新たな体制を「テクノ封建制(technofeudalism)」と呼んでいる。クラウド資本によって駆動されるこの生産と分配の新たな様式は、市場をアマゾンのようなクラウド領地(cloud fief)にすげ替え、資本主義の利益をクラウド地代(cloud rent)に置き換えていく。

トランプ大統領が拍車をかける「テクノ封建制」の恐るべき輪郭、AIとクラウド資本が支配する新時代へ



彼ら、シリコンバレーの成功者たちは、福音派の宗教的理想には関心はなさそうですが、彼ら自身の利益のために「終末思想」に傾倒し、そこから財を成すビジネスモデルを構築しようとしているようです。そこでは、来るべき危機(終末)に備え、自己責任で食物や資金を備蓄する「備蓄主義(preppism)」なるものが奨励されています。この点は、日本でも社会保障の削減とともに、NISAやIDECOによる投資が奨励されている状況と酷似していると、菊地夏野氏も指摘しています。


このような現政権による備蓄主義の奨励により、トランプと袂を分かつことになったスティーブ・バノン自身も、関連ビジネスで利益を得ているのですが、彼自身は第2次トランプ政権で中枢メンバーになったIT業界の億万長者たちを、国民国家はおろか「人間などどうでもいい」「テクノ封建主義者」として、激しく攻撃しています。


あなたは、この米国発の政治と経済、そして宗教イデオロギーの問題について、どう思いますか。このテーマについて議論するワークショップの詳細は以下のとおりです。


日時: 2025年9月14日(日)20時~21時30分

場所: オンライン

定員: 10名程度まで

費用: 見学のみ: 500円、初回参加者:800円~


教材として、以下の英語記事を利用します。


【教材】


上記の通り、今回のワークショップの範囲は以下の記事PDFで6ページ初めから8ページ終わりまでです。


The rise of end times fascism Naomi Klein and Astra Taylor



チケットの申し込みは以下のYahooチケットサイトから、または銀行振り込みでお願いします。


【チケット】


トランプ大統領の黙示録:米国における終末論ファシズムの台頭(3)【英語で学ぶ大人の社会科】第101回 9/14(日)20時@オンライン



[注意]


なお、Yahoo Ticketでのチケット購入については、YahooIDが必要になりました。未登録の場合、SMSでの本人認証が求められる場合もあるようです。


チケット購入・販売におけるゲスト購入・クレジットカード決済の変更について - PassMarket


SMSによる本人認証について - PassMarket Blog


【銀行振込での申し込み】


振込用紙は以下のサイトからダウンロードお願いいたします。


このワークショップの設問は参加申し込み者、サロン会員、有料ニュースレター購読者及び後日発表するnote記事購入者にのみ送付します。過去のワークショップと同様の設問を設定しますので、以下のマガジンの2020年4&5月の記事(設問を公開しています)を参考にしてください。


【英語で学ぶ大人の社会科】世界の知性が語る現代社会


このワークショップに関心のある方は以下のニュースレター@Substackに登録していただくと案内が届きます。


【英語で学ぶ現代社会】を無料ニュースレター@Substackで購読しませんか?


【詳細】


参加費は500~2,450円です。サロン・ゴールド会員の割引他、回数券もご用意しています。6カ月の新規サロン会員権の購入(更新も含む)の方の初回参加費は無料です。

申し込み後(開催日前日までに)、メールにてビデオ・リンクもしくは招待状を送ります。解説と設問はできるだけ早く送付します。オンラインでは、通信上の問題が発生する場合がありますが、不具合の場合、次回無料で参加できます。キャンセルの場合も次回への振り替えになります。


申し込みはYahooチケットの他、銀行振り込み/事務所にて支払いでも可能です。初回のみ申込用紙を以下のサイトからダウンロードして振り込みをお願いします。一度設定すると後は申込書無しで銀行振込+電子メールで参加日の連絡を頂くだけで申し込みが可能になります。



【場所】 オンライン


オンライン(インターネット接続+マイク付きイヤホン+PCもしくはタブレットorスマホを準備願います)。Gmailをご用意ください。

ワークショップは気軽に使えるGoogle Meetを使って英語での議論に取り組みたいと思います。グローバルな政治や経済に関するテーマですが、大変興味深い内容ですので、ドリンク片手に気軽にご参加ください。参加費は初回は特別価格です!また、見学チケットも用意しています。


メインでは以下のオンライン会議システムを使います。


Google Meet(Gmailとリンクしています)


【ビデオ会議システム】Google Meet


ビデオ会議の利用にはGMailアカウント及びマイク付きイヤホン(携帯電話購入時に付属品として付いています)、PC又はタブレット・スマートフォンなどが必要になります。使い方はGoogle Hangoutと同じですが、PC以外だとアプリのダウンロードが必要な場合がありますので、事前に動作の確認をお願いします。またGoogleカレンダーもダウンロードしておくと便利です。


申込を受けるとGoogleカレンダーに招待状を送りますので、そちらにアクセスして、予定上のGoogle Meet に参加するをクリックし、マイク・カメラを設定しておいてください。使い方は以下のサイトを参照してください。


【最新版・完全版】Google Meetとは?初心者向けに使い方や便利な機能の徹底解説



オンラインサロン、note&有料ニュースレター会員について

現在、オンライン・サロン「Global Newsについて語ろう」とnoteメンバーシップ「英語で学ぶ大人の社会科」及び有料ニュースレターの会員を募集しています。サロン会員とゴールド会員は全てのワークショップに割引価格で参加できます


【オンラインサロン】


オンラインサロンGlobal Newsについて語ろう」を始めました。詳細に関しては以下のリンクを参照してください。


【英語で学ぶ大人の社会科】


noteのメンバーシップを始めました。もっと社会問題について学びたい、英語のスキルを進化させたいという方のための一石二鳥、欲張りな会の立ち上げを目指しています。ワークショップだけでなく「大人のための社会見学」も計画中!メンバー募集中です。


【英語で学ぶ大人の社会科】メンバーシップ


有料ニュースレター【英語で学ぶ現代社会】(発展編)


ニュースレター【英語で学ぶ現代社会】(発展編)はGlobal Agendaが運営するイベント・英語ワークショップの案内及び解説と設問を加えた記事を配信しています。主要な英語メディアで発表される現代社会のターニングポイントになるような重要なニュース記事・論説文を理解するための手助けとしてご利用ください。



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